当社グループの取り組み

豊かな水環境と限られた資源を大切にしています

　ジルコニウム化合物の製造には豊かな水が不可欠であり、福井事業所（福井県福井市）は九頭竜川水系、江津事業所（島根県江津市）は江の川水系を水源とする工業用水の供給を受けています。当社は、自然環境を守り、地域と共存・共栄する企業であり続けるために、ジルコニウム化合物の製造に使用した水の処理にも真摯に向き合っています。
　アンモニアストリッピング装置は、赤潮の原因となる水溶性の窒素化合物(アンモニア)を除去する装置です。当社では、排水をこの装置に通すことにより、水に溶け込んだアンモニアを除去し、安全な水を事業所外に放流しています。また、除去したアンモニアは貴重な資源であり、回収・精製して再びジルコニウム化合物の製造に利用しています。

燃料電池による発電システムを導入しています

　燃料電池は、水素と酸素の化学反応で発生した電気を取り出す発電システムで、災害などにより系統電力の供給が途絶えた場合も、発電を続けることが可能です。当社では、福井事業所に、当社製のジルコニア系素材を搭載した固体酸化物形燃料電池を設置しています。
　発電に必要な水素は、事業所内のタンクに貯蔵している液化天然ガス（LNG）を気化器・改質器を通して生成し、大気中の酸素と反応して発電しています。発電に伴う排出物は水蒸気のみで、大変クリーンな発電システムです。また、燃料電池により発電した電力は、安全や環境を守る設備へ優先的に給電する仕組みになっており、非常用電源としての役割も果たしています。

海外関連会社のスタッフに対し、
日本での研修プログラムを準備しています

　当社のベトナム現地法人VREC社では、初級～上級までの日本語クラスを常時開設しており、日本語検定の有資格者が増えています。また、日本語クラスで学んでいる社員が自宅で勉強していると、その子供達が日本語を覚えたという、微笑ましいエピソードも届いています。
　2019年度は、VREC社の14名（生産：9名、検査：3名、保全：2名）が、福井事業所における現場研修プログラムに参加しました。PDCAや“次工程はお客様”という考え方、日本における改善活動への取組み、検査分析業務、設備のメンテナンス方法など、多くのことを学んで帰国し、早速VREC社の工場運営に活用してくれています。また、お互いの言語や文化を知り、コミュニケーションを図ったことで、指導を担当した日本側の社員も多くのことを吸収しました。